『國弘正雄の英語の学び方』

『國弘正雄の英語の学び方』を読んで、英語学習に役立つ内容を抜き書きしました。

英語とまっすぐ向き合って声を出して読む。
そのような基本作業こそが、
実はすべてのテクニックをこえた大きな効果を持つ。
外国語学習の原点はそこにあります。

『國弘正雄の英語の学び方』表表紙裏面

「英語はスポーツや楽器と同じ」で、コツコツと練習して積み上げるものです。
中学1年の英語が身についていれば、中学2年の英語の勉強は順調に取り組めます。中学2年の英語が身についていれば、中学3年の英語に順調に取り組めます。そういうサイクルで高校3年まで英語を身につければ、これはかなりの実力になります。

同p25~26

リスニングの力を伸ばしたいという方は、まず、音読で発音の練習に精を出してください。
自分が発音できない音は聞き取れません。

同p68

では、実際に「音読」をするのに、ふさわしい教材とは、どのようなものなのでしょうか。
[中略]
【中学生の場合】
学校で使っている英語の教科書をおすすめします。
ほかに塾の参考書などもあるでしょうが、基礎をつくる段階なので、やはり学校の教科書でやってみてください。
あせりや宣伝文句に引かれて、次から次へといろいろな教材に手をつけたものの、どれも中途半端で結局何も身につかなかった、という例はたくさんあるのです。私自身の経験でも、また周囲の人の話でも、あれこれ手を出さずに、ひとつの教材にじっくり取り組む人のほうが成功する確率が高いのです。
[中略]
【高校生の場合】
ごく最近まで勉強していたという点で、やはり
中学の英語の教科書をおすすめします。
高校の教科書でもかまいませんが、基礎的な単語と文法で構成されているのが、中学1~3年までの教科書です。「音読」では、「意味のわかるもの」を使うのが前提ですから、一度勉強した中学の教科書はベストです。

同p75~79

無理なく、飽きずに続けるポイント
「さぁ、音読するぞ!」とがんばって、ある1日10時間やっても、毎日続けることができなければ意味がありません。
「毎日」少しずつやることが、外国語を身につけるためにはたいへん重要なことです。
1日に20分でもかまいませんし、1日のうちで何回かにわけてやってもかまいません。とにかく毎日コンスタントにやることが大切なのです。

同p89

音読にとって発音はたいへん重要ではありますが、最初から細かいアクセントや発音にとらわれすぎると、音読が楽しくなくなってしまい、長続きしなくなってしまうおそれがあります。
発音やアクセントの勉強は、いっぺんにうまくなろうとするのではなく、少しずつ積み上げていくものと考えて取り組むことが大事です。

同p93

「書き取り、書き写し」も大切
私自身の体験ですが、私は中学1年から3年にかけて「音読」を繰り返し行いました。そして、それとともに、英語の文章を読みっ放しにするだけでなく、「自分の手を使って写す」こともしていました。
[中略]
何回も何回も書き写した結果、正しい文法や構文が体にすり込まれ、ひと通りの英文が書けるようになったのです。
このように「ひたすら書き写す」というのも、英語学習の効果をアップさせる勉強方法といえます。
[中略]
文法の構造や英文のしくみを体に覚え込ませるには、2語や3語の構造的なかたまりを声に出して読み、その部分を書き写し、また次のかたまりを声に出して読み、書き写すというように、「その文を書いた人の思考を疑似体験するような書き写し」がもっとも効果があるといえます。

同p102~104

「音読」のゴールとは
音読の目的は、あくまでも「英語を自在に活用する」こと。すなわち、英語の運用能力の活用ができることです。
つまり、英語に対応できる「脳」と「耳」と「口」を鍛えて英語の条件反射能力を身につけていこうというものなのです。
それは、具体的にはどういったことなのでしょうか。
(1)英文をひっくり返して訳すことなく、左から右へと語順通り(ネイティブ・スピーカーが話すのと同じ順序)に読んで意味がわかる
(2)日本語に訳さずに、英語のまま意味を理解し、頭のなかに意味がイメージできる
日本語が浮かばなくなったくらいで安心してはいけません。イメージが鮮明に浮かぶようになることを目標にしてください
(3)普通のスピードで吹き込まれた音声を、テキストを見ずに理解することができる
(4)話したことばが、ネイティブ・スピーカーに通じるようになる
(5)文の一部を組み替えることによって、自在に英文を活用することができるようになる
(6)自分の意思を、話したり書いたりして表現することができる
[中略]
「音読」をしてゆくうちに、英語の楽しさを実感できるようになってくるでしょう。この楽しさを知ればゴールもそこに見えてきたのと同じことです。
[中略]
この楽しみを実感できるようになるためには、コツコツとした努力が必要になりますし、壁に当たりつらい思いをすることもあるかもしれません。しかし、そのような障害を乗り越えて習得した英語こそが、世界中どこにいっても役に立つ英語力といえるのです。

同p115~119

ちなみに、上記の本は新潟市の図書館(中央図書館)においてあります。